オグリキャップが勝った第6回マイルチャンピオンシップを振り返ってみる

過酷なローテーション

第6回マイルチャンピオンシップを振り返る上では、レース以前に既に発表されていたオグリキャップのローテーションに触れて置かなければならない。もともと秋の天皇賞に参戦して僅差の2着だった訳だが、次走はジャパンカップにほぼ決定していた。ところが急遽マイルチャンピオンシップに参戦した上で、更に翌週のジャパンカップにも参戦する事がレース前に既に発表されてだのだ。2週連続でG?レースに出走するという前代未聞のローテーションであり、この選択が為された背景には諸説あるが、何れにせよ勝ち負け以上にレースでの内容や反動の有無が注目される事になったのが、第6回マイルチャンピオンシップを巡る背景であった。

オグリか?バンブーか?

レースはそのオグリキャップが1番人気で、オグリキャップが居なかった春の安田記念でマイル路線の王者となっていたバンブーメモリーが前哨戦に当たるスワンステークスを制しており、2番人気であった。レースではバンブーメモリーが比較的馬群から早目に抜け出してスムースな進路運びをする。
対してオグリキャップはこの日はやや加速が鈍く、最終コーナーでの進路確保にも手間取るという対照的なレース運びを見せた。しかし直線で進路を確保すると先に抜け出ていたバンブーメモリーとの差を一気に詰め、そのまま叩き合いの状況に持ち込んで差のないまま並んでゴールした。観客席でも、「オグリだ」「いや、バンブーだ」といった具合にそれぞれを推す声があちこちで飛び交っていた。写真判定の結果、電光掲示板はオグリキャップの勝利を告げた。その瞬間一斉に大歓声が上がった。着差はハナ差であった。勝ちタイムは1:34:6。

2着のバンブーメモリーと3着ホクトヘリオスの差は4馬身離れており、終わって見れば人気の2頭が他との差を見せつけたという内容で、実質的な一騎打ちだったと言える。少々強引にも映ったオグリキャップのレース運びが、翌週のジャパンカップにどう影響するかも含めて大いに注目されたレースであった。

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